- お店をはじめるきっかけを教えてください
私は、浦河町出身で、高校までを浦河で過ごしました。高校卒業後、調理師の専門学校に進学した後は、札幌や横浜、愛知などで暮らしました
浦河に帰ってきたのは、父の影響が大きいですね。90歳を過ぎても「浦河のために役に立ちたい」と考えている父の姿を見て、何か手伝えることがないかと思いました。また様々な場所で暮らす経験をする中で、「やっぱり浦河がいいな」と感じたのも理由の一つです。2022年の4月に浦河町に帰ってきて、その年の9月には、ハンバーガーを中心とした小林勇雄商店を創業しました。
- 経営の経験はなかったと思いますが、不安はありませんでしたか?
少し分野は違いますが、長くパティシエとして働いたこともあり、メニュー作りなどにはあまり不安はありませんでした。
また浦河には、同級生の経営者も数多くいたことも心強かったですね。商工会議所などの支援機関にも同級生たちが紹介してくれたりしたことで、創業の際にも力になってくれましたね。
- お店のこだわりを教えてください
「私自身がおいしいと思うものをお客様にも味わってもらいたい」というのが原点です。
そのため、絶対に作りおきはせず、注文をいただいてから作りはじめます。また美味しいハンバーガーを食べていただくために、手間を惜しまないことにしています。みついし牛を使ったローストビーフやベーコンなどは、すべて手作りをしています。
こういったこだわりを評価していただき、雑誌などにもいくつか取り上げられました。
その記事を見て、札幌や帯広、苫小牧といった遠方から訪れるお客さまもいます。- 創業時に工夫したことや心掛けたことはありますか?
店舗の内装工事を進める中で、可能な限りDIYをすることにしました。
内装材や照明器具などの購入には、創業補助金などを充て、実際の内装工事や、取り付けは自分自身で行いました。
要所要所をDIYすることで、経費を抑え、こだわった店づくりができたと思います。
- これから創業する人に伝えたいことを教えてください。
私自身の反省でもあるのですが、3年は売り上げが伸びなくても耐えられるぐらいの準備をしておくことが大事なのではないでしょうか。
特に飲食店は「万人に受ける味」では、成功することは難しいと思います。
その店の味が好きだというファンがしっかり根付くまでは、売上が低調な時期が続くかもしれません。その期間をしっかり耐えきるための運転資金などを用意しておくことが重要だと思います。
- 今後、どのように事業を展開していきたいですか?
これらも、こだわったハンバーガーを提供していきたいと思っています。
注文を受けてからつくるため、お客様をお待たせしてしまうこともあるので、電話予約の周知など、よりスムーズな提供体制は整えたいなと思っています。
また浦河町で長くお店を続けられるようにしたいなと思っています。浦河も昔と比べるとお店は少なくなってしまい、寂しく思っています。そんな中、せっかく開業したお店をどんな形であれ、長く続けられるようにしたいですね。