- 浦河町に移住、そしてお店をはじめたきっかけを教えてください。
とにかく浦河町の風景や人が好きで、住みたいというのが第一でしたね。
そして「浦河町でどのように暮らそうか?」
と考えた時に、移住と同時に夫の「いつか飲食店を経営したい!」
という夢も実現しようという結論に至りました。- 飲食店のご経験はあったのですか?
料理を担当する夫が、行きつけのお店に頼み込んで修業をさせてもらいました。
フレンチのお店だけど、お好み焼きや、やきそばも提供するお店で、その味が大好きで自分たちのお店でも出したいと思ったんです。仕事が終わった後に2年ぐらいは修業に通いましたね。- 浦河町で開業するにあたって大変だったことは、何ですか?
まずは創業に限らないかもしれませんが、物件の確保でしょうか。
都市部とは違って公に売りに出ている土地や建物の数は、多いとはいえません。私たちも店舗兼住宅となる今のお店が完成するまでには、土地や工務店探しなどに苦労しました。
インターネットなどに情報がまとまっているわけではないので、自らの足で動いて、
人と繋がったり、お願いしにいったりすることが重要かなと思います。- 移住してお店を始めることに不安はありませんでしたか?
不安なことはたくさんありましたが、観光で浦河に訪れているときにお知り合いになった方々に助けていただきました。
開店前から、口コミでお店のことを広めていただいたり、不安に思っていることに対して、心強い言葉をいただいたり。
看板メニューのやきそばの試食をしていただいたりもしましたね。
- 実際にお店をはじめてからわかったことはありますか?
お客様の声にお応えするかたちで、メニューの見直しは行うようにしていますね。
当初レギュラーメニューがもっと多かったのですが、人気メニューに絞り込みをしました。
代わりに限定メニューを入れ替えるようにして、お客様が飽きないような工夫を図っています。
調理をするうえでも、オペレーションが効率化して私たち自身の負担が減り、お客様をお待たせする時間も短くなりました。また開店時期が、新型コロナ禍の最中だったため、席数も少なくすることを余儀なくされました。
ただ、そのおかげでお客さん同士の距離が適度に離れていて、落ち着く空間になりました。
隠れ家的な場所として、会話を楽しめるお店としてご利用いただいてますね。- 浦河で創業を考えている人にアドバイスをお願いします。
地元のことを知って、人と繋がってから開業することが大事かなと思っています。
私たちも観光で訪れていた時からの知り合い・友人のアドバイスやネットワークがとても力になっています。
また移住して開業するからこその大変なこともあります。
例えば、店舗兼住宅の場合、開業するまで職や住所が定まらないことなります。そのため融資や契約などがスムーズに進まないといった不都合が生じたりする可能性もあります。そういったことも含め、様々な人・機関に相談しながら、計画的に開業準備をすることが大事だと思います。
私たちもお店を開いてからも、浦河町ならではの環境―例えば定休日を変更するなど―を色々な方に聞きながら試行錯誤しています。